ハイポ「水涸る」木曜日
人選2句いただきました。
ありがとうございます😊
涸川や葦の小径を獣めき
双子池涸れて臨月たる重み
この時は(いつもそうなんだけど)映像に乏しい句しかできなくて、居ても立っても居られず川へ吟行に行ったのでした。
行って良かったと思います。
これは吟行の後に捻り出した2句でしたから😅
句友さんたちの作品もご紹介。
今回みなさん詩的な表現が多くて、うっとりしてしまいました✨
人選
掴まれるやうに闇となる涸池
夕闇になほ池涸るるきはがあり つぎがい
「掴まれるやうに闇となる」なんて詩的なんでしょう!!
最後に「涸池」を持ってきているところもお上手。
大いなるものの手にゆっくりと掴まれるように…闇が涸池を包みます。素敵✨
夏の日の飛び石はどれ水涸れて
水涸れてけものの夢の生臭き めいおう星
「けものの夢の生臭き」これまたなんと詩的!!
一読そう思いましたが、「水涸る」の時期は厳しい冬の本番。お腹を空かせた獣たちはきっと、本当にこんな夢を見るんだろうと納得します。
私の一句も獣を使いましたが、めいおう星さんのはさすがの世界観です✨
この音でも涸滝というらしい
涸れ川と涸れ川のもつれるところ
一阿蘇二鷲三ピーマン
「この音でも」は、はて、どの音かと思わせておいて、「涸滝というらしい」で結構な音量の滝の音が、このくらいかしらと再生されます。
下の句も「涸れ川と涸れ川の」までは淡いのに「もつれるところ」で確かな映像が立ち上がります。楽しくて巧みです…✨
涸れ沼に月が半分落ちている
沼涸れてぬつたぬつたと亀歩む 卯MOON
「月が半分落ちている」これまたすごい!!
涸れきってはいない沼の水面に、白い半月がゆらゆらと落ちています✨
初の人選ニ句、おめでとうございます㊗️✨
句会と言い、卯MOONさんの羽ばたき具合から目が離せません!
水涸ると聞かば心の小石鳴る
涸川に放つ小便きらりきらり 小川めぐる
この季節になると思い出す、完全に忘れたわけではない恋、そんなイメージを「心の小石鳴る」に感じました。
これまた詩的です✨
川涸れてあの山は春孕みゆく あいだほ
「あの山は春孕みゆく」きました!
大胆にも「春」という字を使って表現した、力強い「水涸る」に感服。
言われてみれば、この頃から山はもう春を孕み始めるのかもしれませんね✨
水涸るるじゃりじゃり夢の軋む朝
じゃすみん
じゃすみんさんのお句にも、めぐるさんのお句に感じた、うまくいかなかった恋を感じました。
ですが、じゃすみんさんの句の方は、そう遠くない過去というか、まだ心の整理ができていないような、そんなイメージを「じゃりじゃり」や「軋む」から受けました!
川涸れてきょうりゅうのほねいしのなか
ちま
川が涸れて「きょうりゅうのほね」が「いしのなか」にあるよと、ちまちゃん!
「きょうりゅうのほね」をもってくるあたりはさすがの妖精俳人だと感じます✨
水涸るる鷺ひこひこと星の縁 てん点
確かに「ひこひこ」ですね、鷺のあの動き!
そして「星の縁」と…一気に壮大に、そして詩的に仕上げています。素敵です✨
神様がねているあいだ水涸れて むらさき
可愛らしいです!
神様が起きると「良く寝たのう…。そうじゃ、水の調整せんといかんのう。うほんうほん。」とまた水が豊かになり始めるんですね✨
子供達の自由な発想、羨ましすぎます。
名瀑布涸れ土産屋の旗の音 歌鈴
「滝」ではなく、「名瀑布」なので、それぞれがそれぞれの名瀑布を思い浮かべます。
そして涸れてしまった名瀑布の音より、強風に吹かれている「土産屋の旗の音」のバタバタという音の方がよく聞こえると読みました。
外し具合に俳諧味を感じます✨
水涸るや神の花嫁八人目 豊田すばる
「神の花嫁」という発想に驚きつつ、更に「八人目」とは!!
神様は一夫多妻制だったのか(笑)
花嫁は白無垢でしょうか、ドレスでしょうか、どちらにしても、美しい白が印象的です✨
並選
水涸れて水鳥海へ旅立つよ
座敷わらしなつき
川などの水が涸れると、水鳥は海へ旅立つよと、なつきちゃん。
そうだね。また暖かくなったらきっと戻ってくるよ✨
その時には、鳥さん、ひとまわり大きくなってるかもしれないね!
木曜日のみなさん、おめでとうございます✨