ハイポ「炭」木曜日
やってまいりました!
今年最後のハイポ木曜日、人選二句いただけました✨
ありがとうございます😊
炭持つて骨の太さを比べけり
翁らの竹炭に月匂ひけり
句友さん達もみんな人選だぁ!!😆
みんなで心安らかに年越しできそうです。(大袈裟)
そんな句友さん達の作品もご紹介✨
人
火の果ての木は炭人は白き骨
齧るための遺骨一片炭馨る めいおう星
また私の句と「骨」のワード被り(笑)
季語から感じるインスピレーションは似ているけど、表現の仕方は全く違うという姉妹的面白さ。
火の赤、炭の黒、骨の白、美しくも寂しいです。
いま神が通ったか炭熾る
炭五俵担ぐおんなの肩の瘤 歌鈴
上手いなぁ✨
この句の「熾る」は、まだ本当なら火がつくタイミングではなかったのだろうと思わせます。まさに「いま神が通ったか」のように燃え上がる、勢いのある炎。
のごと、を使えば中七は整いますが、ここはあえての字足らず。
人の力の及ばない気配の通過に、言葉を失う作者の心情のリアリティ。素晴らしいです✨
下の句も、なつきちゃんの句とリンクしていて見応え十分!
影落とす馬の睫毛や炭をひく
炭出すや今日から父が米を炊く
一阿蘇二鷲三ピーマン
暖をとるための炭か、米を炊くための炭か。
「今日から父が米を炊く」のです。
母は亡くなったのでしょうか、はたまた蒸発したのでしょうか、または病気で…。
冬の寒さととも、作者の心の寒さも漂います。
炭の黒、米の白の対比も綺麗です。
炭継ぐや箱根寄木の秘密箱
野衾の飛び立つ気配炭砕く 小川めぐる
野衾(のぶすま)→ムササビに似た妖怪、を始めて知りました✨
想像すると可愛らしかったのですが、調べてみるとこの野衾、なかなかに恐ろしい奴!
木の実を食べる、火を食べる、動物や人の生き血を吸う、とあります💧
山里の夜、炭の火を食べに、もしくは作者の生き血を吸いにやってきた妖怪を想像すると、かなり恐ろしい。
その「野衾の飛び立つ気配」に「炭砕く」のです。不穏な気配をも打ち砕くように。
炭窯の燃えて地球は回りけり あいだほ
「炭窯の燃えて」そして「地球は回りけり」。
まるで炭窯の燃焼が、地球の自転の燃料になったかのような楽しさ✨
機知が効いています。
くつくつと見えない方から炭熾る
じゃすみん
よく観察されています!
確かに、奥の方の「見えない方から」炭は熾りますね✨
「くつくつ」はなんとも美味しそうな響きで、炭が熾った後の美味しい料理を想像させます。
ひらがなを炭のかけらでかいたあさ ちま
ひらがなの柔らかい優しい感覚と、炭のかけらの硬質で冷たい感触との対比。
「あさ」が引き締まりつつ健やかに受け止めています。
ちまちゃん本当に凄い✨
湯を浴むや向かふ傷めく胸の炭 つぎがい
湯に浸かりながら感じているのです。
「向かふ傷めく胸の炭」、向こう傷のように見える胸の炭を。
詠み手が女性で句に「胸」があった場合、おそらく読み手は、膨よかで柔らかで、真白な肌を思うことでしょう。
美しい対比です✨
炭ついでゆつたり若き頃のこと てん点
「ゆつたり」が効いていますね。
炭をついで、その暖かさの中「若き頃のこと」を、あの時は無茶したねなんて話しながら、穏やかな時間を過ごす二人が見えます✨
炭はかしゅかしゅうさぎのえもかしゅかしゅ
むらさき
炭とうさぎの対比もさることながら、「かしゅかしゅ」から、滑らかではない、アスファルトなどへの落書きを思わせます。
ううむ、唸ります✨
良き炭は甘しと祖父はきりり噛む
卯MOON
うわぁ✨
なんと歯の丈夫な「祖父」でしょう!
「良き炭は甘し」なんですね、なんだか暖かい気持ちになります💕
炭の黒と歯の白の対比もお見事です。
わたし五人分の炭かつぐおばちゃん
座敷わらしなつき
「わたし五人分の炭かつぐ」と「おばちゃん」に申し出るなつきちゃん。
なんと美しき心の持ち主でしょう✨
その気持ちだけでおばちゃん、もう全然重くないから!(;o;)
窯出しの炭かんかんと高し清し
豊田すばる
「炭かんかんと高し清し」とたたみ掛けることで、窯出しの勢いが感じられますし、硬い質感からの清らかで澄んだ音が聞こえます。
そうか、水分量が一番少ないのであろう窯出しの時が、炭の最も綺麗な音なんでしょうね✨
木曜日のみなさん、おめでとうございます✨